北方領土の目前で北方領土を学ぶ!

北方領土の目前で北方領土を学ぶ!

 

納沙布岬には「北方館 望郷の家」という施設があります。

f:id:kandaleo6969:20180528215454j:plain

北方領土の日本返還を目指した建物で、貴重な資料がたくさんありました。

ここがとても印象深かったですので、ここでひとつの記事にしたいと思います。

 

北方領土とは何か?

択捉、国後、色丹、歯舞諸島の総称です。

f:id:kandaleo6969:20180528214558j:plain

戦後のドタバタの中での日本とロシアとの間の歴史的事実の見解の食い違い、

またアメリカなどの第三者の国がその間に問題として入ってきたりすることによって話がややこしくなっている地域です。

 

ちなみに

日本の主張としては

北方領土は日本の固有の領土であり、ロシアが不法に占拠している!」

ですが、ロシアの主張は

北方領土はれっきとしたロシアの領土」

としていて、ロシア人にもそういった教育が施され、一般的にロシア人は「北方領土に関して勝手に日本が騒いでらぁ」くらいの認識で問題にすらしていないそうです。

 

北方領土は臨戦地域!?

若い男性の館員さんがいらっしゃったので、ひとりとっつかまえて

北方領土に関して色々な質問をさせていただきました。

 

まず最初に教えていただいたことは

国際法的に北方領土は間違いなく日本の領土であるにも関わらず、

ロシアが実効支配しているということでした。

 

実効支配とは勝手にその領土を占領して

力づくで自分たちのものにしてしまうことです。

例えるなら、友達からCD借りてそのまま返さずに自分の所有物にしちゃう「借りパク」みたいなもんです。

 

北方領土沿岸まで日本の船が近づいたりすると、北方領土で見張りをしているロシア人が銃で撃ってくるそうです。

オイオイ。マジかよ。じゃ、ここ戦闘地域じゃんか。臨戦態勢かよ。

そういった危険な地域ですので、海上自衛隊の巡視船が常に停泊してます。

f:id:kandaleo6969:20180528215130j:plain

(北方館の望遠鏡で確認できます)

f:id:kandaleo6969:20180528215151j:plain

現在、日本人は北方領土に行くことができるか?

現在、北方領土に日本人は住んでいません。

ひとりも住んでいません。

 

では日本人は北方領土に行くことができるか?

という質問をしましたら、答えは基本的に「NO

 

理由としては北方領土に近づくと、先ほど言いました通り銃撃されます。

日本側からアプローチして無理なら、ロシア国内に入国して北方領土に行こう!

…としてしまうとそれは「北方領土はロシアのものである」と認めたことになってしまいます。ので、無理です。

 

この話をきいて僕は感嘆しました。なるほど。

こんな国家間の軋轢がモロに生じている地域が現代の日本にあるなんて。

実際にこの場所にきてとてもリアルに感じられました。

 

実のところ、基本的には日本人は北方領土に渡れない状況ではありますが

「例外的」に日本人が北方領土に渡ることができるそうです。

 

その手段は政府による「ビザなし交流」というもの。

パスポートやビザなしで外務大臣の発行する身分証を使い北方領土に渡るというものです。

その権利を持てるものは以下に限られます。

 

    北方領土に住んでいた人

    北方領土返還活動の関係者

    報道関係者

    訪問するだけの意味を持つ活動をする専門家

 

です。

訪問時にはロシア人住民との交流やホームステイなどのイベントもあるそうです。

 

また、大きな震災があった際に日本の企業が北方領土に住むロシア人たちに救援物資を送りに向かったことがあったそうです。そうして人と人の交流から北方領土問題の解決策を見出そうという努力がなされているとのことです。

また「先祖のお墓参り」で日本人が北方領土に行くこともあったそうです。

北方領土で埋葬された祖父母の墓参りに行くという名目で渡るということです。

しかし時代も移り変わって、その機会もだいぶ減ったそうです。

 

ロシアにショバ代を渡して漁をしている!?

で、これも館員さんから聞いておどろいた話なのですが

日本の漁業組合が漁場のためにロシアにお金を支払っているそうです。

どういうことかというと、

ロシアの実効支配下に置かれている貝殻島という島の海域に美味しい昆布が採れる場所があるそうです。地元住民としては美味しい昆布を採って生活の糧にしたい。

 

しかし、そこに近づくとロシアから銃撃されます。

ですので、なんとロシアにお金を支払ってその場所から昆布を採る権利を買っているそうです。この取り決めを「日ロ貝殻島昆布採取協定」といいます。

 

1963年から発効している協定なので結構その歴史は古いです。

「え?それって結局北方領土がロシアのものだって認めてしまっていることになりませんか?」と館員さんに質問したのですが、

これは一応「北海道水産会とロシア関係当局との協定」なので国家間の協定と違うそうです。

 

いや、でも、なんか引っかかるぜ…。

 

北方領土におけるこういった漁業協定は他にもふたつありまして

 

日ソ地先沖合漁業協定

…仲良く海をわけわけして漁業しようよの約束

 

北方四島周辺水域における日本漁船の操業組み協定」

北方領土の周りで日本の漁業させてぇなの約束

 

ご興味があったら調べてみてください。

 

ブログの一記事にするにはあまりに根の深い問題ですので、

さらに詳しい話を知りたい方は調べてみてください。

 

北方領土問題を学んでみた感想

いろいろ学びましたが、

僕としてはやはり北方領土」は日本に返還してほしいものです。

実際、日本の領土ですし、この海域は世界的に見ても豊かな漁場です。

豊富な地下資源が眠っているそうなので国益のためにはやはり確保したい地域です。

 

もっと欲を言うと千島列島全域まで欲しいです。

かつてはここまで日本でしたから。占守島に行ってみたい。

f:id:kandaleo6969:20180528214800g:plain

 

さらに僕は樺太も欲しい。

北海道のさらに北に日本があったらどうですか。

f:id:kandaleo6969:20180528215006j:plain

樺太は北海道と同じくらいの面積なので、もう一個北海道がある感覚でとらえていただければイメージしやすいんじゃないか思うのですが、樺太に日本人が移り住んだら、そこで何か新しいものを生み出しそうな気がしてなりません。

 

それは超巨大なスキー場のようなレジャー施設なのか、

新しい農作物なのかわかりませんが、

何かすさまじいイノベーションが起こせそうな未知の可能性を感じます。

 

…と、そんな妄想を描きながら

僕は納沙布岬をあとにしました。

 

納沙布岬にいらっしゃった際は

北方館で北方領土の勉強をしてくるのは神田的にかなりオススメです。

f:id:kandaleo6969:20180528215532j:plain